寒い時期にはこたつがよく似合う猫。では、こたつとセットのイメージがあるみかんを、猫に食べさせても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、みかんの果肉部分だけを適量食べる分には問題ありませんが、皮の部分や、みかんの加工品を与えるのは好ましくありません。また、みかんを好んで食べる猫はあまり多くないことも知られています。
今回の記事では、猫にみかんを与える際に注意したいポイントや、猫がみかんなどの柑橘系を好まない理由をご紹介します。
この記事の目次
みかんの果肉はOK
果肉は適量なら食べられる
みかんの80%は水分でできており、その他には繊維質やビタミン類、ミネラル、炭水化物、βカロチン、ビタミンCなどが含まれています。皮を剥いた果肉の部分だけなら、適量であれば猫が食べても大丈夫です。
水分摂取に効果的かも?
ヒトと違って猫はビタミンCを体内で合成できるため、みかんなどの果物は必須ではありません。
ただし、水分量が多いため、みかんを好んで食べる猫であれば、水分不足による熱中症や、冬場に起きやすい脱水症状の防止に役立つかもしれません。
他の柑橘系も基本的には変わらない
みかんの他にも、オレンジ、デコポン、はっさく、きんかん、ポンカンなど、他の柑橘系の果実も基本的には食べても大丈夫です。
いずれも皮を剥き種は除いて、適量を与えるようにしてください。
みかんの皮は剥いてあげよう
皮には有害な成分が含まれている
みかんの皮には「リモネン」という成分が含まれていますが、猫はこれを分解することができないため、皮を食べすぎてしまうと、嘔吐や痙攣などの中毒症状を引き起こすことがあります。
誤って少量を口にしてしまった程度ではそこまで心配する必要はありませんが、故意に皮ごと与えてはいけません。
皮は消化に悪い
みかんの皮は硬くて消化に悪いため、食べてしまうと猫によっては消化不良で下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
中の白い筋や房も消化しにくいですが、そのまま食べてしまっても問題ない場合が多いです。消化能力は猫によって異なるため、猫の様子を見ながら少量ずつ与えましょう。
農薬がついていることもある
みかんの皮には農薬がついている可能性があることも、皮を与えないほうが良い理由の1つです。
みかんの場合は皮を剥いてしまえば良いですが、皮を剥かない野菜や果物を与える際は、よく洗ってから与えるようにしてください。
みかんが嫌いな猫は多い
ここまで、皮を剥けば猫にみかんを食べさせても良いことをお伝えしましたが、実は、みかんなどの柑橘類を好んで食べる猫は多くありません。それどころか、飼い主さんがみかんを食べ始めたり、柑橘系の香水をつけただけで、嫌がって逃げてしまう猫もいるようです。
なぜ柑橘類が嫌いなの?
理由ははっきりしていませんが、肉食動物である猫は、酸味に対して、食べ物が腐った味だと認識するためではないかと考えられています。さらに、猫は甘味を感じないため、ただの酸っぱい食べ物だと感じてしまうのでしょう。
アレルギー症状に注意しよう
多くの猫はみかんの果肉部分を食べても大丈夫ですが、中には柑橘系の果物にアレルギーを持っている猫もいます。アレルギー症状には、下痢、嘔吐、皮膚のかゆみ、脱力、目の充血などがあります。
みかんに限らず、初めての食べ物を猫に与える際は少しずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。また、食べさせた後にはしばらく様子を観察していた方が安全なので、初めてのものを与える場合は、丸一日家にいられる日の午前中にしましょう。
みかんの加工品は食べても大丈夫?
生のみかん果肉は食べても大丈夫ですが、みかんジュースやみかんゼリーなど、みかんの加工品を猫に与えても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、市販の加工品は糖分などを多く含むため、猫には与えない方が良いです。
与えるなら手作りのものを
猫にみかんジュースなどを与えたいのであれば、お家で絞ったりミキサーにかけたりして、手作りしたものを与えるようにしてください。
ただし、先述した通り、猫は柑橘系のものをあまり好まない場合が多いので、頑張って手作りしても食べてくれない可能性が高いことは頭に入れておきましょう。
まとめ
猫にみかんの果肉部分を与えるのは、適量であれば問題ありません。一方、みかんの皮をたくさん食べてしまうと中毒症状や消化不良を起こしてしまうため注意が必要です。
また、猫はみかんなどの酸味が強い食べ物を嫌う傾向にあるため、無理に食べさせようとはしないでください。
中には、飼い主さんが柑橘類を食べていたり、柑橘系の香水やアロマを使っているだけで嫌がる猫もいるので、その場合はなるべく猫のいないところでみかんを食べたり、柑橘系の香料の使用を控えるようにしましょう。