環境の変化が大の苦手な猫は、引っ越しが大きなストレスになりがちです。しかし、飼い主さんのライフスタイルが変化したなどの理由で引っ越さなくてはいけない場合もあるでしょう。
この記事では、猫のストレスや負担を少しでも減らすために、必要な準備やコツについて解説します。事前にしっかり準備をして、愛猫との新しい生活を楽しみましょう!
この記事の目次
引っ越し前に準備したい7つのこと
引っ越しが決まったら、まずはスケジュール作りとやることリストを作成しましょう。引っ越し当日、ペットホテルに預けたり、ペットタクシーを利用するなら手配も必要です。猫の移動手段も早めに準備しましょう。
1. 動物病院に相談
まずはかかりつけの動物病院を受診しておきましょう。
- 健康診断を受ける
- 持病のある猫や高齢猫は検査のデータをもらっておく
- 薬や療養食を処方してもらう
環境の変化に弱くストレスを受けやすい猫は、猫用フェロモン剤「フェリウェイ」があると安心です。猫の顔周辺から分泌されるフェロモン製剤で、クレートや部屋にスプレーするとリラックス効果が期待できます。気になる方は獣医師に相談してみてください。
また、引っ越し先の動物病院も探しておきましょう。かかりつけの獣医師に紹介してもらってもいいですね。
2. フードを多めに用意
引っ越し先で、いままで食べていたフードがすぐ手に入らないかもしれません。多めにストックしておきましょう。
3. ケージに慣れさせる
引っ越し作業中や新居の暮らしにケージがあると便利です。引っ越し前から慣れさせておきましょう。トイレを入れる余裕があり、上下運動ができる猫用ケージがおすすめです。
4. クレートやキャリーバッグに入る練習
どのような移動手段を取るにしても、クレートやキャリーバッグは必須です。慣れていないとストレスにもなりますので、早めに準備して少しでも慣れさせておきましょう。
ポイント
・いつも猫が過ごす場所に置き、中には慣れ親しんだ敷物を入れる
・好きなおやつをクレートやキャリーバッグで食べさせる
・処方してもらったフェロモン剤をスプレーする
なお、早く慣れさせようとして無理やり押し込むのは逆効果なのでやめましょう。
5. 新居に猫の匂いを付ける
新しい環境に自分の匂いがあれば猫は安心します。
フェイシャルフェロモンの分泌腺がある猫の頬周辺をやさしく拭いて、タオルに匂いを付けます。匂いの付いたタオルで、新居の柱や壁など、猫の顔の高さ周辺を集中的に拭きましょう。
処方してもらったフェロモン剤を新居にスプレーしてもよいです。
6. 交通手段の確認
自家用車で移動すると、猫のペースに合わせて休憩が入れられます。公共交通機関を使用する場合は、各鉄道会社のルールに従って移動しましょう。飛行機の場合は手続き方法を航空会社によく確認してください。
また、ペットの輸送も行ってくれる引っ越し会社もあります。見積もりの際に相談するといいでしょう。ペット専用タクシーなども合わせて問い合わせてみてください。
7. 迷子札を付けておく
万が一の脱走に備え、首輪に迷子札を付けておきましょう。猫の首輪はひっかかると外れるタイプが多いのでマイクロチップを挿入しておくと安心です。
やってはいけない準備
猫グッズの新調は避けましょう。環境が変わるだけでなく、自分の慣れ親しんだものが突然なくなるのは猫にとってショックな出来事です。
特に新築に住む飼い主さんは、すべて新品にしたいかもしれません。しかし猫のために少し我慢してください。キャットタワーや爪とぎ、敷物がどんなにボロボロでもそのまま運び入れましょう。トイレの新調もNGです。
新品にしたい場合は、引っ越す前に購入してあらかじめ慣れさせておくか、新居に猫が慣れてから購入することをおすすめします。
引っ越し当日の注意点
引っ越し業者の作業員が荷物を運び出す様子は、猫にしてみれば自分のテリトリーに見知らぬ人が侵入し、大きな物音を立てて荒らしているように見えるはずです。引っ越しの様子は、なるべく猫に見せないようにしましょう。
猫は預けるか、静かな場所に
引っ越し当日に猫を自由にさせると、狭い場所に入りこんだり脱走したりするかもしれません。動物病院やペットホテルに預けると、飼い主さんも引っ越し作業に集中できます。
預けられるのが苦手な猫は、ケージに入れて人の出入りが少ない静かな部屋で待機させましょう。引っ越し業者の人などが誤って開けないよう、部屋のドアに「猫がいます」と注意書きを貼っておきます。
落ち着けるスペースがない場合は、猫をケージに入れて大きな布などで覆っておくといいでしょう。
移動時のポイント
猫を移動させる時のポイントをまとめました。
- 外が見えないようにクレートやキャリーバッグを風呂敷などで覆う
- クレートやキャリーバッグの中にはペットシーツを敷いて排泄に備える
- 替えのペットシーツやビニール袋、ウエットティッシュを準備しておく
- 猫用ハーネスをつけておくと、万が一クレートの扉が開いても安心
自動車内は、夏以外でも日が当たると温度が上がりやすく熱中症の危険があります。猫だけを置いて、車を離れないようにしてください。公共交通機関で移動する場合は、他の乗客の迷惑にならないよう注意しましょう。
新居に引っ越したら
荷物を入れる際も、バタバタするもの。すべて荷物を入れ終わって、少し落ち着いてから猫を新居に入れます。
家具のレイアウトを再現
少しでも旧居のレイアウトを再現してあげましょう。キャットタワーと爪とぎの配置だけでもかまいません。旧居と同じ配置があると安心します。
好きなようにさせる
戸締りをしたあと、クレートやキャリーバッグを開けます。自分から出るのを待ち、猫の自由にさせましょう。決して引っ張り出さないでください。
猫をじっと観察したり、声をかけたりしたくなるかもしれません。しかし、猫は基本的にはしつこく構われるのを好まないので、少し距離を置いて様子を見守ります。甘えてくるときは、たっぷり甘えさせてあげましょう。
脱走にご用心
バタバタしがちな新しい生活。うっかりドアや窓を開けたままにして、猫が脱走しないように十分注意しましょう。
万が一に備え、首輪に新しい情報を書いた迷子札を付けておきます。マイクロチップを登録している人は情報の更新を忘れずに行ってください。
体調不良になったら受診
環境の変化で体調を崩す恐れがあります。ごはんをまったく食べない、あちこちでおしっこをする、下痢をする、毛づくろいをしないなどいつもと様子が違う場合は早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
環境がガラッと変わる引っ越しは、猫にとって大きなストレスです。少しでも負担を減らすために、事前の準備をしっかり行いましょう。あらかじめクレートやキャリーバッグに慣れさせておくのも大切です。
新居には猫の匂いをあらかじめ付けておくと、新居に早く慣れてくれる可能性があります。引っ越してしばらくは体調崩していないか、注意深く見守りましょう。