猫は昼間ほとんど寝ていて、夜になると活発になって飼い主を困らせることが多いため、夜行性の生き物というイメージがあるかもしれしれません。しかし、それは猫が何かを要求しているか、ストレスを抱えている可能性があります。
この記事では、猫は夜行性なのかどうか、そして夜に騒ぐ理由とその改善方法を解説します。猫にとって快適な環境を整え、健康的な生活を送らせるために、正確な知識を得て適切なケアをしてあげてください。
この記事の目次
猫は夜に寝ていることが多い
一般的な猫の生活リズムは、朝・夕方・夜の3つのサイクルに分かれています。朝と夕方は活発になり、食事をしたり、飼い主と遊んだりしますが、夜は静かに寝ていることが多いとされています。
このように、主に薄明(明け方)と薄暮(夕方)の時間帯に活動する生物は、「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」といい、昼行性や夜行性とは区別されます。
猫が薄明薄暮性になるのは、捕食する生き物の活動時間が大きく関係しています。鳥は薄暗くなると目が見えにくくなるため捕まえやすくなり、ネズミは薄暗い時間帯に活動するため、これらに合わせて活動するようになったということです。
暗くても猫は物を認識できる
猫の視力は人間の1/10程度で、はっきりと区別できるのは10m先くらいとされています。一方で、暗いところでは人が必要とする光量の1/6程度でも物を認識できます。これは網膜のうしろにあるタペタムとよばれる反射板が光を反射させるためです。暗闇で猫の目が光っているように見えるのも、このタペタムの反射機能によるものです。
薄明薄暮性の動物
薄明薄暮性という言葉自体に聞き馴染みがないかもしれませんが、私たちの身近にはたくさんの薄明薄暮性の動物がいます。
ペットとしてよく飼われている犬やうさぎ、モルモット、ハムスター、フェレットなども薄明薄暮性です。他にも、鳥類や昆虫にも薄明薄暮性の生物がたくさんいます。
一緒に暮らしていると人間と同じ生活リズムになる?
猫はマイペースですが、長く人と一緒に暮らしていると、自然に飼い主と同じような生活リズムになっていきます。
ただし、飼い主が不規則な生活をしていると猫の生活のリズムも乱れてしまいストレスの原因にもなりますので、なるべく規則的な生活をするように心がけましょう。
夜に猫が騒ぐ5つの理由
すでにお伝えしている通り、猫の主な活動時間は明け方と夕方で、夜は寝て過ごすのが普通です。
それにもかかわらず、夜になると決まって運動会が行われたり、夜鳴きがひどかったりする場合、愛猫はストレスを抱えているかもしれません。猫にとっても飼い主にとっても良くないことですので、原因を突き止め、それを解消してあげる必要があります。
1. 遊び足りない
日中の人のいない時間帯はのんびり過ごしたり寝たりしています。しかし、あまりに刺激がないと、体力をあり余してしまい夜中に運動会をする原因になります。お留守番の時間が長い場合は、キャットタワーやおもちゃを設置し、お留守番をしているときでも一人で遊べるようにしてあげましょう。
飼い主が寝る前に猫がまだ元気なようであれば、適度に一緒に遊んであげることで、遊び疲れてぐっすり眠るようになるかもしれません。
2. お腹が空いている
お腹が空いていて、飼い主に催促するために鳴くことがあります。あまりにも鳴く場合は、食事の量や時間、回数などを見直してみましょう。自動給餌器を取り入れるのも効果的です。
3. トイレが汚れている
猫はきれい好きなため、トイレが汚れると排泄しないことがあり、飼い主にきれいにして欲しいとお願いしているのかもしれません。
猫のトイレは定期的に掃除し、なるべく複数箇所に置いてあげましょう。
4. 環境の変化でストレスを感じている
最近引っ越した、家族が増えたり減ったりしたなど、ちょっとした環境の変化でも猫は敏感に反応します。
引っ越しをした場合は、その猫自身の匂いがついたタオルやお気に入りのおもちゃを与え、落ち着ける場所を用意してあげましょう。家族や同居するペットが増えた場合は、ゆっくりと時間をかけて慣れさせてあげてください。
5. 発情期である
発情期の猫は大きな声で鳴いたり、部屋の中を走り回ったりします。また、外にいる交尾相手を求めて脱走する恐れもあります。
発情期が原因の場合は発情期が過ぎれば落ち着きますが、避妊・去勢手術を行うことで発情期のストレスを軽減させられます。まずは、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
最後に
猫は夜に活発なことが多いため夜行性と考える飼い主さんも多いかもしれません。しかし、実際には朝方と夕方に活発になる薄明薄暮性の動物です。
愛猫が夜に騒がしくしたり飼い主を起こすような行動をする場合、何か不満があったりストレスを抱えたりしている可能性があります。その場合は原因を突き止め、昼間に十分な運動をさせる、静かに寝られる環境を整えるなどの対応をしてあげましょう。
猫との暮らしをより豊かなものにするためにも、猫の行動について理解し、適切にケアすることが大切です。