野生のイルカは要注意?!人懐こいだけではないイルカの姿

野生のイルカは要注意?!人懐こいだけではないイルカの姿

かわいくて、人懐こくて、好奇心が旺盛で賢い。イルカにこのようなポジティブなイメージを持っている方も多いと思います。水族館で見るイルカショーのイルカたちは特にかわいく、トレーナーの指示通りに行動できてお利口という印象を持ちやすいでしょう。

では、野生のイルカはどうでしょうか。野生のイルカも水族館のイルカと同様に人懐こくフレンドリーなのでしょうか。

今回は、イルカの本来の姿や性格、種類、そして万一海で野生のイルカに出会った際の注意点について紹介していきます。

この記事の目次

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野生のイルカに襲われる人間

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2024年の夏には、福井県や静岡県、愛知県の海水浴場で泳いでいた人が野生のイルカに襲われる被害が複数発生しました。体当たりされてケガをしたり、噛まれて20針程縫う大ケガを負った人もいます。

全国でイルカに襲われたという報告は2024年だけで少なくとも18件あり、年々増えていることから対策や遊泳中の注意が必要となってきています。

イルカの特徴

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人と同様に性格には個体差があり様々な性格のイルカがいますが、好奇心が強く非常に頭が良いのが特徴です。体重から脳の占める割合を比較した場合、イルカは人間の次に大きいことからも知能が高さが伺えます。

イルカは群れで生活し、ホイッスルやクリックという音を使って家族同士でコミュニケーションを取るとされています。また、視力が非常に弱い代わりに聴力が優れており、超音波を発し、物体からの反響音を聴くことで周りの状況を把握したり、獲物を捕らえることができます(エコロケーション)

人間と同じスピンドルニューロンを持つイルカ

スピンドルニューロンとは、嬉しい、楽しい、幸せなどの感情をもったときに伸びるとされている神経細胞です。この細胞は、感情の処理や社会的認知など様々な認知能力に関係しており、2009年にイルカの脳にも存在することが明らかになりました。このことからもイルカの認知能力が高いことが理解できます。

ちなみに、このスピンドルニューロンが現在確認されているのは、人間のほかに特定の類人猿やゾウ、クジラ類と、とてもわずかな動物に限られています。

イルカとクジラの違いは大きさ

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イルカとクジラはどちらもクジラ目に属する哺乳類で、明確な違いはないとされています。一般的には体長が4~5m以内であればイルカ、それ以上をクジラと呼んでいます。

もうひとつの特徴として、歯の有無があります。イルカとしてカテゴライズされる種類は、歯があるハクジラ亜目に属しています。歯があり、かつ体長が4~5m以内の種類はイルカと呼ばれる傾向にあります。

シャチもイルカ科

シャチは体が非常に大きく、英語では「キラー・ホエール」と呼ばれていますが、実はマイルカ科に属しておりイルカの仲間です。体長は6~10mにもなり、イルカの中で最も大きく「海の王者」とも呼ばれています。

シャチは食欲旺盛で、イルカ、サメ、クジラといった大きなものから、ペンギン、イカ、カメなどあらゆる海中の生き物を食べることができ、食物連鎖の頂点に立つ頂点捕食者の動物でもあります。

野生のイルカの攻撃性

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イルカにも他の哺乳類と同様に攻撃性はあります。特にオスに強く見られる傾向があると言われ、繁殖のために他のオスの子どものイルカを攻撃したり、メスと子どもを守るために他者を攻撃することもあります。

これ以外にも、ストレスを感じると攻撃的になると考えている研究者もおり、海で泳いでいる人などとの接触がストレスとなり攻撃行動の引き金になっている可能性も示唆されています。

もしも海で出会ったら

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では、もし野生のイルカに海で出会ったらどうすればいいでしょうか。

前述のとおり、人に慣れていない野生のイルカにとって人との過度な接触はストレスとなり攻撃行動を引き起こす要因になることも考えられます。一方で、イルカは好奇心が強く野生のイルカからすると珍しい人間に興味を持って近付き、その際にヒレが当たる、遊ぶ意味での甘噛みをしてくる可能性もあるようです。

いずれにせよ、もし遊泳中にイルカを見つけた場合には、過度に反応せず静かに海から出ることを優先しましょう。大きな動きをしたり、イルカに接触しようとするのは危険です。

まとめ

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イルカというと水族館でトレーナーの言うことをしっかり聞き、人にも慣れているイメージがありますが、水族館にいるイルカと野生のイルカは別のものと考えた方が良いでしょう。

もちろん、野生のイルカを悪者にするつもりはありませんが、水族館にいる人懐こいイメージを野生のイルカにも投影するのは危険です。万一、野生のイルカと遭遇する場面があっても距離を置き、陸から見守るのがご自身のためにもイルカのためにも好ましいでしょう。

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