脱・お手入れ嫌い!愛犬のためにやっておきたい慣れ5選

脱・お手入れ嫌い!愛犬のためにやっておきたい慣れ5選

犬を飼う上で必要になるお手入れですが、苦手な子も多いのではないでしょうか。また、「お手入れはトリマーにやってもらえるから、お手入れが苦手でも大丈夫」と考える方もいるかもしれません。

ただ、お手入れは日常的に行うものですので、愛犬が嫌がらずにやらせてくれることは愛犬にとってはもちろん、飼い主にとっても負担が軽くなります。また、トリミングサロンでお願いする場合も、それに向けて練習をしておくことが大切です。

今回は、お手入れ嫌いにならないために子犬のうちからやっておきたい慣れを5つ紹介します。

この記事の目次

トリミングとグルーミングの違い

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トリミングとグルーミング、どちらの言葉も聞いたことがあると思いますが、具体的な違いをご存じでしょうか。

トリミングは主にハサミやバリカンなどを使って被毛を整えることを指します。トリミングによって見た目を整えるだけではなく、汚れや毛玉を取り除き、皮膚病や寄生虫のリスクを軽減するなど、皮膚や被毛を清潔に保つという大切な役割も担っています。犬種や被毛のタイプ、生活スタイルなどによっても異なりますが、理想的な頻度としては月に1回程度です。

一方、グルーミングはシャンプーやブラッシング、爪切り、耳掃除など全体的なお手入れのことを指します。こまめなグルーミングによって、病気やケガの予防にも繋がります。グルーミングには毎日必要なものもあり、より慣れておくことが大切です。

お手入れに慣れていないことで起こりうるリスク

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お手入れは日常的に行うものです。頻繁に行うお手入れに慣れていないと、愛犬にとっても飼い主にとっても負担になってしまいます。

愛犬がお手入れに慣れておらず、嫌がっている状態で無理矢理行うと愛犬と飼い主の関係性が悪くなったり、愛犬が飼い主を噛んで抵抗することもあります。それによって、飼い主が愛犬に対してネガティブな感情を抱いてしまうこともあり、悪循環に陥りやすくなります。

さらに、愛犬にとっても飼い主にとっても負担になることでお手入れの頻度が減り、歯周病になる、毛玉が増える、爪が伸びすぎて折れる、皮膚病になるなど様々な病気やケガになる可能性を高めてしまいます。

お手入れ嫌いにならないための慣れ①「水慣れ」

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最終的にシャンプーに繋げるために、まずは水に触れて慣れるところからスタートします。

  1. 愛犬の全身が入るトレーなどに水を1センチ程溜め、おやつの誘導などで愛犬自ら水に足をつけられたらおやつをあげる。
  2. 初めは片前足のみ水に浸けるところからスタートし、最終的には四肢すべてを水につけながら、そこに留まっていられる状態を目指す。
  3. 水の量を増やしても四肢や身体が水についていても落ち着いていられるよう練習を重ねる。

注意点

  • 使用する水は、夏場であっても真水ではなくぬるま湯を使用し、気温に応じて冷たすぎず、熱すぎない温度にするのがおすすめです。
  • 水に足をつける際は、無理矢理水があるところに連れて行ったり水をかけたりせず、愛犬が自ら水に足をつけるよう誘導しましょう。

お手入れ嫌いにならないための慣れ②「シャワー慣れ」

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シャワー慣れは、シャワーから水が出てくることや水圧に慣れることに加え、シャワーの高さ(足元から頭上へ上げていく)シャワーの音やバスタブにシャワーが当たる音に慣れていきます。

水圧の慣れ

  1. シャワーを床に置き、弱い水圧で少量の水が出ているところにおやつを置き、愛犬自らシャワーの水が出ているところに行けるようにする。
  2. 怖がる様子がなくなったら、愛犬が怖がらないレベルでシャワーの水圧を徐々に強くしていく。
  3. 通常の水圧でも落ち着いていられるように練習を重ねる。

シャワーの高さ慣れ

  1. シャワーから水を出さずに、おやつを齧らせながらシャワーの高さを床から徐々に愛犬の頭の上へと上げていく。
  2. シャワーから水を出さずに、おやつを齧らせながらシャワーヘッドだけを動かし、シャワーヘッドが頭上にあったり、頭上で動くことに慣らしていく。
  3. シャワーから水がでることにも慣れていれば、弱い水圧で水を出しながらシャワーの高さを少しずつ上げていく。
  4. 愛犬よりも高い位置から通常の水圧で水がかかっても落ち着いていられるように練習を重ねる。

注意点

  • 使用する水は、夏場であっても真水ではなくぬるま湯を使用し、気温に応じて冷たすぎず、熱すぎない温度にするのがおすすめです。
  • 水圧もシャワーの高さも同時に上げていくのは控えましょう。どちらかのレベルを上げるときは、もう一方のレベルは一番低い状態で行うと怖がりにくく慣れが進みやすくなります。

シャワーの音慣れ

  1. 実際のシャワーの音を聞きながらおやつやフードを食べ続けたり、知育玩具やおもちゃ遊びをしながら、シャワーの音を気にせず過ごす経験を繰り返し行う。
  2. YouTubeでシャワーの音を流しながら上記と同様に過ごし、慣れていくのもおすすめです。この際、小さい音量から流し始め、愛犬が気にしないレベルで少しずつ実際に近い音量へと上げていきます。

お手入れ嫌いにならないための慣れ③「ドライヤー慣れ」

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ドライヤー慣れは、ドライヤーそのものに慣れることに加え、ドライヤーの音ドライヤーの風、そしてすべてが合わさった状態で慣れていく必要があります。

ドライヤーそのものに慣れる

  1. 床に置いたドライヤーの近くにおやつを複数置き、そのおやつを食べてもらう。
  2. 近付いてニオイを嗅ぐ、足で触れる、跨ぐなど、ドライヤーがあっても気にしない、怖がらない状態になったらOK。
  3. 人がドライヤーを持って、ゆっくりと上下左右に少し動かしながらおやつをあげる。この段階ではドライヤーの電源はOFFのままで行う。
  4. ドライヤーが愛犬よりも高い位置で動くと怖かったり興奮する場合、愛犬が落ち着いていられるレベルを見つけて行う。少しずつドライヤーの動きを実際に使用する際の動きに近づけ、愛犬がドライヤーを怖がったりせず気にしないようになるまで練習を繰り返す

ドライヤーの音慣れ

  1. 愛犬から少し離れた場所でドライヤーの音を2、3秒鳴らす。この際、ドライヤーの音が鳴る前から鳴り終わるまで愛犬にはおやつをあげ続ける
  2. 繰り返し行い、継続的に愛犬の側でドライヤーの音が鳴っていても気にしない、怖がらない状態になったらOK。

ドライヤーの風に慣れる

  1. 愛犬に風が当たるくらいの少し離れた場所でドライヤーの電源をONにし、はじめは2、3秒風を当てる。
  2. 継続的に愛犬の側でドライヤーの風が当たっても気にしない、怖がらない状態になるまで繰り返す。
  3. 風が出ている状態でドライヤーを動かしても怖がらなくなるまで繰り返す。
  4. ドライヤーそのもの、音、風に慣れたら、**フセやオスワリなどでその場に数秒でも留まれたらおやつをあげて、少しずつその体勢をキープできる時間を伸ばす。

注意点

  • この練習では、風が出ている間は愛犬におやつをあげ続け、風を気にせずにおやつを食べられるレベルで練習を続けることが大切になります。おやつが食べられなかったり風を気にしている場合は、風が強すぎたり時間が長すぎますので、レベルをもっと落として練習しましょう。

お手入れ嫌いにならないための慣れ④「爪切り慣れ」

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爪切り慣れは、手や爪を触られる、握られることに慣れることに加え、爪切りが手に近付くこと、触れることに慣れていきます。

手や爪を触られることに慣れる

  1. お手ができる場合はお手をしてもらい、手のひらに愛犬の手が乗っている時におやつをあげる。そのまま人の手のひらに愛犬の手を置く時間を伸ばす。
  2. その体勢のまま、愛犬の手が乗っている方の指で優しく愛犬の手先を触り、おやつをあげる。
  3. 少しずつ触る時間を伸ばし、触る箇所を爪へと移行する。
  4. 反対の手で、愛犬の手や爪などを触り、おやつをあげる。
  5. 少しずつ触る時間を伸ばし、爪切りを爪にあてて、おやつをあげる。
  6. 少しずつ爪切りをあてる時間を伸ばす。
  7. 安全で行える範囲で、爪の先端を少し実際に切って、おやつをあげる。
  8. 落ち着いて爪の先端が切れる状態まで繰り返し行う。

爪切りの注意点

  • 爪切りは切る人側が慣れていない場合、血管を切ってしまったりして愛犬に嫌なイメージを与えてしまう可能性があります。安全面への配慮と嫌なイメージを付けないように、実際に爪を切るのはプロであるトリミングサロンや動物病院に任せることをおすすめします。

お手入れ嫌いにならないための慣れ⑤「歯磨き慣れ」

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歯磨き慣れは、愛犬がアゴを物や手のひらの上に乗せる「アゴノセ」唇をめくる練習歯を触る練習歯ブラシを口に入れたり、動かす練習など、様々な段階に分けて練習をしていくのがおすすめです。

アゴノセ

人が出した手のひらに愛犬がアゴを乗せ、その状態をキープできることを目指します。

  1. 愛犬にオスワリをしてもらい、手のひらを上に向けた状態で愛犬がアゴを乗せやすい顔の高さに手を出す。利き手とは逆の手のひらを出した方がやりやすいことが多い。
  2. おやつを愛犬の鼻先に持っていき、手のひらにそのままアゴが乗るよう誘導し、一瞬でも乗せたらおやつをあげる。
  3. 徐々にアゴを乗せられる時間を伸ばす。
  4. おやつを持たず、手の誘導だけでアゴを乗せられるレベルを目指す。アゴを乗せられたらおやつをあげる。
  5. 手のひらに乗せられるようになったら、愛犬が乗せやすい高さの物にタオルやマットなどを敷き、そこにも同じ手順でアゴノセができるように練習をする。

唇をめくる

愛犬の上唇をめくっても嫌がらずにいられる状態を目指します。

  1. 愛犬にオスワリをしてもらい、一方の手で大き目のアルファベットの「C」の形を作り穴を下に向ける。利き手とは逆の手で「C」にした方がやりやすいことが多い。
  2. もう一方の手でおやつを持ち、愛犬の鼻におやつを近づけ、そのまま愛犬の鼻を「C」の中に誘導し、入ったら持っているおやつをあげる。
  3. 少しずつ「C」の中に鼻を入れていられる時間を伸ばす。
  4. 「C」の中に鼻を落ち着けていられる時間が伸びてきたら、「C」にしている手で軽く上唇をめくり、おやつをあげる。
  5. 唇をめくっていられる時間を伸ばしても落ち着いていられるまで練習をする。

歯を触る

  1. 唇をめくれるようになったら、めくって軽く犬歯などの歯を触り、おやつをあげる。
  2. 触れる歯を増やしたり、触っていられる時間を伸ばす。歯を触れたらおやつをあげる。
  3. 徐々に奥歯も触れるように練習する。
  4. 歯磨きシートや歯ブラシでも歯を触れるように練習する。
  5. さらに触れる歯を増やしていく。
  6. 歯磨きシートや歯ブラシを少しずつ口の中で動かし、おやつをあげる。
  7. 歯磨きシートや歯ブラシを口の中で動かす時間を徐々に伸ばす。
  8. 歯ブラシができる時間や箇所を増やせるよう練習をする。


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慣れをする際の注意点

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どんな慣れでも共通する大切なポイントは、少しずつ、愛犬が嫌がらないレベルで行うことです。愛犬が嫌がる素振りを見せるまでやってしまうとお手入れに対して嫌なイメージがついてしまいます。

もどかしいくらい少しずつ、おやつを使いながら愛犬が平気でいられる時間や強さ、触る場所などを増やしていきましょう。お手入れを落ち着いてできるようになると、お手入れ自体が飼い主さんとのスキンシップの時間に変わっていきます。

まとめ

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お手入れは愛犬にとって嫌なものになりがちで、ほとんどの子は慣れるための練習が必要です。その慣れには多くの時間を費やすため、飼い主の根気も必要になります。嫌がっているところを無理矢理やると、お手入れが嫌いになるだけでなく、嫌がって噛む行動に出たり、愛犬と飼い主の関係にも悪影響を及ぼすこともあります。

時間はかかりますが、じっくりと愛犬のボディーランゲージを読み取りながら、愛犬が受け入れてくれるレベルで練習し、少しずつレベルアップして、愛犬も飼い主も負担の少ないお手入れタイムを目指しましょう。

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