セキセイインコを繁殖させるには?オスとメスの判別方法も解説

セキセイインコを繁殖させるには?オスとメスの判別方法も解説

セキセイインコを自分で繁殖させたい場合は、オスとメスをつがいで飼育する必要があります。そのためには、繁殖の方法や注意点を正しく理解しておくことが大切です。

確実に繁殖させるために、オスとメスの見分け方を知っておきましょう。さらに、オスとメスの性格や行動の大まかな違いを理解しておくことも重要です。

この記事では、セキセイインコを繁殖させるコツや注意点、オスとメスの見分け方について解説します。

この記事の目次

セキセイインコの繁殖とオス・メスの見分け方

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セキセイインコを繁殖させることは可能です。飼っているセキセイインコたちが命を育み、ふ化したヒナを育てる様子を見るのは、飼い主さんにとっても大きな喜びになります。飼い主さんがヒナを育てれば、手乗りにすることも可能です。

オスとメスがいないと繁殖はできないため、まずは性別の見分け方をチェックしましょう。

セキセイインコのオス・メスの見分け方

ほとんどのセキセイインコのオスとメスは、くちばしの上にある「ろう膜」で判断できます。また、性格や行動からも、オスとメスの見分けがつく場合もあります。ただし、個体差があるため、必ずしも判別できるとは限りません。

オスとメスはろう膜で見分ける

繁殖させるには、まずはオスとメスの違いを知っておくことが大切です。セキセイインコのオスとメスの見分け方として、わかりやすいのが「ろう膜」の色です。ふ化してすぐは判別が難しいのですが、生後半年くらいから色に違いが出てきます。

ろう膜とは、インコのくちばし上部にある鼻の部分を指します。オスはうすい青や紫色、メスは白またはベージュがかった白色をしています。

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さらにメスの場合、発情期になるとろう膜の色が濃くなり、茶色に変化する個体もいます。発情の状態によっては、茶色くなったろう膜の表面が角化して、発情が終わると剥がれ落ちることもあります。

ただし、赤い目をしているルチノー種やアルビノでは、ろう膜がうすいピンク色のまま成長するため、わかりにくいケースが多いようです。不明な場合は、鳥専門の獣医師に確認するとよいでしょう。

オスによくみられる特徴

オスはよくさえずり、人の言葉を真似する子が多くみられます。さらに好奇心も旺盛で、人なつっこい個体が多い傾向があります。そのため、手乗りにする場合もオスの方がスムーズだといわれています。

また、オスが発情するとエサを吐き出す行動をとるようになります。これは、メスに吐き出したエサを与えるためです。さらに頻繁に鳴いて、メスの気を引こうとするようになります。

メスによくみられる特徴

メスはオスに比べるとおとなしい子が多く、それほど鳴かない傾向があります。さらに独立心があり、一人で遊ぶことも多いでしょう。なつきにくいと感じる飼い主さんもいるかもしれません。

メスは発情期に入ると、止まり木や巣箱などをかじって巣作りを始めます。さらに、ケージの底に敷いた紙やわらの下などに潜ろうとする「巣ごもり」行動もみられます。

セキセイインコの繁殖準備

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セキセイインコの繁殖準備について解説します。安心して交尾や産卵できるように、しっかりと環境を整えてあげましょう。

不安な場合やうまくいかないときは、かかりつけの獣医師に相談してくださいね。

健康なオスとメスのペアを迎える

健康なオスとメスのペアをペットショップから迎えます。性的に成熟する生後6〜7カ月頃の若いセキセイインコがよいでしょう。ただし、繁殖そのものにはまだ若すぎるため、実際に繁殖させるのは生後1年くらいが適切です。

羽やくちばしなどをチェックし、元気で活気のあるセキセイインコが繁殖に適しています。セキセイインコにも相性があるため、オスとメスを迎えたらまずは別々のケージで飼育します。

お見合いをさせる

いきなり同居はさせず、別々のケージ越しに並べてお見合いをさせます。このとき、ケンカするようなら残念ながら相性は良くありません。しかし、オスがメスに近づいてエサを与えようとする求愛行動を示すなど、相性が良さそうなら大丈夫です。

相性が悪い場合は、別々のケージで個性を楽しみながら大切に飼ってあげましょう。

環境を整える

相性の良いセキセイインコは同居させます。2羽が落ち着いて繁殖できるように、環境を整えましょう。

ケージを用意

2羽が羽を伸ばしても余裕のあるサイズのケージを用意します。ケージの底に設置されているフン切り網は、ヒナが落ちるなど事故の原因になる恐れがあるため、新聞紙や巣材などを事前に敷いておきましょう。

巣箱の用意

卵を産み、ヒナを育てるための木製の巣箱をケージに固定しておく必要があります。巣箱の中には、やわらかめの紙やわらなどの巣材を入れておきます。ツボ巣はセキセイインコの繁殖には向かないため、設置しないようにしましょう。

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日照時間に注意

日照時間が不足していると、発情や繁殖が思うように進まないケースがあります。日中の明るい時間を長めにして、夜は暗くするなどメリハリをつけてください。ただし直射日光は当てないようにしましょう。

静かな環境に設置

ストレスを与えないためにも、ケージは静かな環境に設置しましょう。テレビの音が聞こえたり、人がバタバタ出入りをしたりする場所は避けてください。犬や猫など、他のペットがいる場合は、近づけないようにしておきます。

栄養管理もしっかり

発情を促すためにも、繁殖用の栄養価が高いエサを与えます。ビタミンやカルシウムが不足しないよう配慮しましょう。主食のシードに加えて栄養をサポートするエサを与えるのもおすすめです。

セキセイインコの繁殖の流れ

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発情するとオスとメスは交尾します。交尾がうまくいくとメスは卵を産み、卵を温める行動を始めます。発情から繁殖、産卵までの流れをチェックしておきましょう。

発情と交尾

オスの発情サインは、エサを吐き戻してメスに食べさせる、羽繕いをするなどです。メスは尾羽を広げるなどして求愛に応じようとします。さらに、メスは巣材を集めるなどの行動が増えていきます。交尾は主に止まり木などで行われるため、そっと見守りましょう。

産卵

交尾がうまくいくと、メスは1日1個卵を産みます。合計で5〜6個程度になるケースがほとんどです。2〜3個産んだあとに卵を温め始めます。メスは多くの時間を巣箱で過ごすため、エサや水を巣箱の近くに配置することがポイントです。

ヒナがふ化したら

卵はおよそ18日でふ化します。巣箱の中から鳴き声が確認できるでしょう。親鳥になったセキセイインコは、ヒナを温めたりエサを与えたりする「育雛(いくすう)」を始めます。

ヒナの様子を確認することは必要ですが、むやみに巣箱を開けてのぞかないようにしましょう。あまり頻繁にのぞいていると、親鳥が育児放棄をする恐れがあるため注意してくださいね。

ヒナはおよそ30日で巣箱の穴から顔を出すようになり、40日ほどで一人でエサを食べるようになります。一人で食べられるようになったら、別のケージに移すタイミングです。

ヒナを手乗りにするなら

自宅で生まれたヒナを手乗りにするなら、生後3〜4週間で親鳥から離して育てます。ただし、飼い主が親鳥の代わりになって育てるため、1日2〜3時間おきのエサやりや保温など、こまめな世話が必要です

いずれの場合も、ヒナがすべて巣立ったら巣箱は取り除きましょう。

セキセイインコの繁殖の注意点

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セキセイインコが元気に長生きするためには、過剰な繁殖や高齢になってからの繁殖はNGです。動物愛護の観点からも、体に負担をかけないように十分注意しましょう。

1年に1回に留める

セキセイインコの繁殖は1年に1回までに留めるのが適切です。特にメスにとって、産卵は大きな負担になります。卵の殻の形成には多くのカルシウムが必要となるため、骨粗しょう症を招きやすくなるのです。

さらに、頻繁な繁殖は免疫力を低下させるだけでなく、寿命が短くなる原因にもなります。

繁殖の適齢年齢を考慮する

セキセイインコの繁殖適齢年齢は1歳から4歳です。老鳥にさしかかる5〜6歳以上では体の負担になるだけでなく、ヒナも丈夫に育ちにくくなってしまいます。

セキセイインコが元気に穏やかに過ごすためにも、繁殖は4歳ごろまでにしましょう

むやみに発情させない

発情は生物にとって自然な現象ですが、過剰な発情は病気を招く原因になります。

例えばオスが発情すると、メスがいなくてもおもちゃなどに向けてエサを吐き出すため、不衛生になりがちです。また、自分で吐き出したものを食べることで、「そのう炎」という病気を発症する恐れも。

さらに、発情が多いと精巣の腫瘍などを発症しやすくなるといわれています。メスは卵詰まりや卵巣嚢腫などのリスクが高まり、命にかかわるケースもあるのです。

発情を抑える方法

まずは明るい時間をなるべく短くします。明るい時間が長いと発情をしやすくなるためです。夕方5時ごろにはケージを暗くて静かな部屋に置くか、カバーをかけましょう。暗くしても人の声が聞こえるとセキセイインコは寝られないため、リビングなどに置くのは避けてください。

保温のし過ぎも発情を招くため、元気ならほどほどの温かさにしましょう。ただし、急に温度を下げると体調を崩す恐れがあるため、様子を見ながら少しずつ下げるようにします。

鏡があると発情しやすいため、鏡のおもちゃは入れないようにします。発情を誘発する巣箱も必ず取り除きましょう。不安な場合は、鳥専門の獣医師に相談することをおすすめします。

まとめ

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自宅でセキセイインコを繁殖させ命を育む様子を見ることは、飼い主さんにとって大きな喜びです。

繁殖は、健康なオスとメスのつがいを迎えるところから始まります。くちばし上部の「ろう膜」の色がブルーならオス、ベージュならメスと判定できますが、不明な場合は獣医師に相談してください。

環境や栄養に配慮して、発情や交尾を促します。卵のふ化後は、ヒナの様子を確認する程度にとどめ頻繁にのぞかないこともポイントです。手乗りにしたいなら、ヒナを生後3週間ほどで飼育容器に移し、飼い主さんが育てましょう。

過剰な繁殖や発情は、セキセイインコの健康を損ねる原因になります。セキセイインコのためにも明るい時間を短くする、巣箱を取り除くなど、発情を抑える対策も行ってくださいね。

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