だんだんと昼と夜の寒暖差が厳しくなってきましたね。
筆者は猫を飼っているのですが、今頃の気温になってくると猫も人肌恋しくなるのか、膝の上に乗ってくれたり、夜に布団へ入ってきたりする機会が増えてきて嬉しいかぎりです。
秋冬は人間と同じく、猫ちゃんも大人しくしていることが多くなってきますよね。
秋冬こそさらに気をつけたい、秋冬の猫ちゃんの飲み水対策について、今回はご紹介したいと思います。
この記事の目次
乾燥した空気が水分を奪う?
アメリカのヒルズ・コルゲート社による「ヒルズ尿石分析サービス」の統計データによると、猫の下部尿路疾患は、暑い夏に比べて、寒い季節に増加する傾向があるようです。
確かな原因はまだ不明ですが、秋冬は、その寒さから活動量が低下することや、空気が乾燥しているために水分不足になりがちなことなどから、発症しやすくなるのではないかと推測されています。
下部尿路疾患とは
下部尿路疾患とは、何らかの原因で膀胱や尿道に問題が出る機能障害や病気の総称です。
以下のような症状があり、排尿時に痛みがある場合などには、トイレで鳴き声をあげることもあります。
- 尿が出なくなる
- 排尿時の痛み
- 血尿
- 膀胱炎
細菌感染による炎症や、結石や結晶による尿道閉塞などが原因になります。
特に水分摂取不足によってなりやすい病気は、尿路結石症、突発性膀胱炎と言われています。
水飲み場を複数にしてみる
なかなか水を飲まない猫ちゃんのための対策には様々な方法があるのですが、筆者自身の経験を踏まえて今回おすすめしたいのが、「水飲み場を複数箇所設置する」という方法です。
もちろん、全ての猫ちゃんが「必ずたくさん飲むようになる」とは言い切れません。
しかし、この対策は、なかなか水を飲まない猫ちゃんに限らず、多くの飼い主さんに紹介したい理由があります。
猫の本来の習性に合っているかも
「水飲み場は、食事皿の隣に一箇所設置しているだけ」という方も多いと思います。
このよくある置き方は、実は、本来の猫の習性を考えているとは言えない、という説もあります。
もともとの猫の習性を考えてみると、自然の環境の中では、よく訪れる水飲み場が一箇所だけしかないということはあまりありません。
また、食事場所と水飲み場が隣接しているとも限らず、人間のように食事と共に水を飲む習慣があるわけでもありません。
この説にならうとすれば、食事場所に限らず、家の中にいくつか水飲み場を設置した方が、猫ちゃんにとってはより良い環境になるということが出来るのはないでしょうか。
食事場所+他の場所がおすすめ
そうは言っても、食事皿の隣に置くのが絶対にダメ!ということではないと思います。ここでは、一箇所しか水飲み場がないことを問題にしています。
食事場所に水飲み場を設置するのは、飼い主さん自身が、餌をやるタイミングで同時にお水も取り替えやすいため管理が行き届きやすいというメリットもあります。
食事場所に既に水飲み場がある場合は、それにプラスして、猫がリラックスできるような場所にも置いてあげるのが良いと思います。
おすすめの設置場所は以下の通りです。
- 猫が休息する場所
- 猫のお気に入りの場所
- 人の行き来が少ない場所
- トイレから離れた場所
水を清潔に保ちやすい
猫は清潔で新鮮なお水を好みますよね。
例えば、もし水の中にホコリが入ってしまった場合、水飲み場を一箇所だけにしていたらどうでしょうか。
猫ちゃんが「もう飲みたくないな」と見向きもしなくなり、取り替えるまで水を飲まなくなってしまうかもしれません。
複数に設置していれば、どこかのお水が清潔でなくなってしまっても、別の水飲み場で飲んでくれる可能性が上がります。
デメリットもある
複数箇所に設置することで、お水を取り替える飼い主さんの手間が少し増えてしまいます。
でも、それだけ自分の愛猫のためを考えて、自分と愛猫の愛情が増すことになるとも考えられます。こう考えるとすれば、デメリットとも言えないかもしれません。
その他の対策
飲水量を増やすには、水の温度を変えてみる、流れる水を与えてみる、などなど、他にもいろいろな対策があります。
以下の記事では、水を飲まない猫ちゃんのための様々な対策を紹介しています。ぜひご参照ください。
経験を踏まえて
筆者の私事になってしまうのですが、飼い始めてまだ一年も経っていない猫が、水をあまり飲んでくれなくなってしまい悩んでいました。
猫の狩猟本能のためか、お気に入りのおもちゃを集めてきては飲水用の器に入れてしまい、水が汚れて飲めなくなってしまっていたのです。
そんなときに今回参考にした論文に行き当たりました。早速、試しに水飲み場を複数にしてみたところ、今までの器にはやはりおもちゃを入れてしまうのですが、新しく設置した方は綺麗なまま。そして、ちゃんと飲んでくれていました!
水の種類や温度を変えたり、器を変えてみたり、たまにウェットフードに変えてみたりもしましたが、自分の生活リズムの中で一番負担なくすぐに効果が出たのがこの対策でした。
最後に
繰り返しになってしまうのですが、全ての猫ちゃんに当てはまる確実な対策方法というのはありません。
参照記事も含めて、ぜひ色々な対策方法を試してみてください。
これからの季節の対策として、少しでも飼い主さんの参考になれば幸いです!