猫のひげを切るのはNG!猫のひげの6つの役割と病気のサインとは

2024.04.23
猫のひげを切るのはNG!猫のひげの6つの役割と病気のサインとは

猫のひげはとても大切なものだから切ってはいけない、ということはみなさんもご存知だと思います。

では、猫にとってひげはどのような役割を果たしており、どれくらい大切なものなのでしょうか?ひげが抜け落ちてしまう場合は病気のサインかもしれません。

今回は猫のひげについて詳しく解説します。

この記事の目次

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猫のひげは全身に生えている

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猫のひげ、といえば口の左右に生えている長い数本を思い浮かべますよね。
愛猫の顔をじっと観察してみると、口の左右だけではなく、目の上やアゴの下にもひげが生えていることに気がつくと思います。

猫の顔には全部で5カ所にヒゲが生えており、顔の部位ごとに名称がついています。愛猫の顔を見ながらチェックしてみてください。

猫の顔のひげの部位
上毛(じょうもう):目の上の眉毛のようなひげ。約6本。
頬骨毛(きょうこつもう):頬骨の上・目の横下あたりのひげ。生えていない猫もいる。1~2本。
上唇毛(じょうしんもう):頬に生えるいわゆる猫のひげ。長く数も多い。約16本。
口角毛(こうかくもう):口の端の短めのひげ。1~2本。
頭下毛(とうかもう):アゴの下にの短いひげ。数本。

さらに、手根球と呼ばれる前足の少し離れた肉球の周りにも3〜4本のひげが生えています。個体差はありますが全身のひげを合計すると50〜60本ほどあるようです。

猫のひげは動かすことができるセンサー

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猫のひげは「触毛」あるいは「洞毛」と呼ばれ、被毛とは区別されています。人間のひげは体毛ですが、猫のひげは立派な感覚器官で、筋肉に繋がっているため自在に動かすことが可能です。

他の被毛よりも長く深く生えており、根元にはたくさんの神経が通っています。従って、ひげに何かが触れると神経を通って脳に伝わる仕組みになっています。全身に生えたひげは周りの情報を察知するセンサーのような働きをしているのですね。

猫のひげの役割とは?

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生まれたばかりの子猫でもひげは立派に生えています。猫にとって、ひげは生きるためにとても大きな役割を果たしているからです。

では、猫のひげには具体的にどのような役割があるのでしょうか?猫のひげの役割を6つご紹介します。

①平衡感覚を保つ

人と比べて視覚の弱い猫は、ひげによって平衡感覚を保っています。
狭く不安定な場所や高いところでも下に落ちることなく歩け、暗い場所でも視覚に頼らずに行動できるのはひげのおかげなのです。

②空間を認識する

ひげの先に触れるものを感じ取ることで、空間の広さや形を認識することができます。
猫は顔が通る広さであればどんな隙間も通れると言われていますが、まず顔を入れてみて、ひげを使って隙間の広さを確認しています。(肥満気味の猫は顔が通っても体が通らないことも!)

③気流や湿度を探知する

猫のひげは非常に繊細なため、わずかなをも察知します。どの方向からどのくらい強い風が吹いているのかを感知することで、獲物や天敵の居場所を認識することができます。このため、暗い中でもネズミを捕まえることができます。

また、猫のひげは湿度も感知します。
低気圧が近づき湿気が多くなると、ひげに水分が付きダランと下がり、ひげの機能が低下してしまいます。それを防ぐために猫は顔とひげを洗い、ひげのハリを保とうとします。

「猫が顔を洗うと雨が降る」ということわざがありますが、まさにこの猫の習性を表しています。

④獲物の状態を察知する

猫のひげは獲物の匂いや音など、空気の微弱な振動をも捉えることができます。前足に生えているひげも獲物を追う際に使われているようです。

獲物を追っている最中はひげが前方に向かって伸びるため、獲物との距離を察知し、素早く攻撃することができます。

また、猫が獲物を口に加えると、ひげが獲物を包み込むようにしてその状態を確認します。ひげの感覚で獲物が生きているかどうかを見極め、急所をひと噛みすることができます。

⑤目を保護する

猫の目の上のひげはまぶたの神経とつながっています。ひげに刺激を感じると素早くまぶたを閉じて目を守ります。
また、小さなゴミを吸着し目に入ることを防ぐこともあるようです。

⑥感情を表す

猫のひげから感情を読み解くことができます。
尻尾などと合わせて、猫のボディランゲージを観察してみてください。

  • 下向き:リラックスしている時、あるいは体調が悪い時
  • 上向き:嬉しい時
  • 前向き:何かに興味を持っている時
  • 後ろ向き:怖い・びっくりしている時(餌を食べる時、水を飲む時にも汚れないように後ろ向きになります)

繊細で重要な猫のひげを切る・抜くは絶対にしてはダメ!

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ひげは猫が生活する上でとても大切な器官の一つです。そんな猫のひげを切ったり抜いてしまうと、平衡感覚が鈍り、壁にぶつかったり暗闇で思うように動くことができなくなったりしてしまいます。

また、猫のひげは深いところから生えており、根元には神経や血管が通っているため、引っ張って抜くと痛みを感じます。
ひげが急になくなることで動くことに自信をなくしたりショックを受けたりしてしまう可能性もあるので、切ったり抜いたりすることは決してしないでください。

冬の間はストーブでひげの先が焦げてしまうこともあるので、猫とストーブの距離が近づきすぎないように注意しましょう。

猫のひげが抜ける・切れるは病気のサイン?

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猫のひげは半年に一度、換毛期に合わせて自然と生え変わりますので、数本落ちているのを見つけても問題はありません。

しかし、大量に抜け落ちていたり切れていたりする場合は以下に上げるような病気の可能性が高いです。早めに動物病院で診てもらいましょう。

猫にきび(猫ざそう)

食べかすや水分などが皮膚に残ることで、皮膚の常在菌が異常繁殖して炎症を起こします。
他にも食器などの雑菌繁殖、アレルギーなど様々な原因があります。

初期は皮膚に黒い小さな斑点が現れます。悪化すると皮膚に赤い斑点ができ、痒がる仕草を見せます。この時に毛やひげが抜けることがあります。さらに悪化するとただれたり出血することがあります。

初期の時点であれば、湿らせた暖かいタオルで拭いたり、猫用シャンプーで体を洗うことで治ることがあります。
しかし、ひげが抜ける場合はすでに悪化しており、炎症や細菌感染を併発していることが多いため、すぐに動物病院を受診してください。

猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)

猫エイズウイルスに感染することで発症し、徐々に免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。口内炎や下痢、あるいは他の重い病気を併発する危険性があり、その中にひげが抜ける症状も含まれます。

治療法が確立されていない病気ですが、室内飼いの猫で、野良猫などの猫エイズウイルスを持つ猫と接触する(咬まれる)可能性がなければ感染するリスクはほとんどありません。

一方、外飼いの猫や、保護した猫を多頭飼いする場合は感染の可能性が高くなるため、必ずワクチンを接種しましょう。

ストレス

猫が強いストレスを感じると、血行が悪くなり毛やひげが抜け落ちることがあります。動物病院に行って、病気の可能性がない場合はこのストレス性の脱毛が疑われます。
ストレスの原因を突き止め、猫の環境を改善しましょう。

まとめ

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猫のひげには驚くほどたくさんの機能と役割があります。

猫にとってのひげは、人間にとっての髪の毛や髭などの体毛とは全く違ったものです。猫が生きるために重要な感覚器官なので、決して切ったり抜いたりすることはしないように、大切に扱ってあげてください。

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