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ねこ飼い方

シニアの猫の快適な暮らし!8つの「高さ」への配慮をおさえよう

伊藤 悦子
伊藤 悦子 家畜人工授精師 、ペット栄養管理士

猫もシニアになると、少しずつ筋肉量や運動能力が低下します。若いときの環境のままでは、シニア猫は暮らしにくくなるでしょう。

特に、キャットタワーなどの高い場所からの転落には注意が必要です。
そのほかにも、トイレの縁も高いままだと跨ぎにくくなってしまいますし、また逆に、食器が低すぎると、かがまなくてはいけないので大変食べにくくなります。

近年、猫は寿命が延びてきています。長いシニア期を少しでも快適に過ごせるように、飼い主さんは配慮してあげる必要があります。
今回は、シニア猫が暮らしやすくするための「高さ」の対策をご紹介します。

「高さ」を見直すタイミング

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シニア猫が次のようなしぐさを見せたら、「高さ」を見直す時期です。

  • キャットタワーや家具の上り下りをためらう
  • キャットタワーのてっぺんに上らなくなった
  • 飛び降りるのを失敗した
  • 歩行が不安定になった
  • トイレの縁をまたぐのに時間がかかる
  • ごはんが食べにくそう、途中で食べるのをやめてしまう

シニア期に入った愛猫の様子は普段からよく観察し、異変にはすぐに気がついてあげることが大切でです。

見直したい5つの「高さ」

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猫はもともと高いところが大好きです。それはシニアになっても変わりません。
しかし、筋力が低下して足腰が弱っている猫は、落下する危険性が高いのです。

今までは落下してもうまく着地できたかもしれませんが、それもできなくなってしまいます。
そこで、高いところへ上る欲求を満たしつつ、高さの危険を取り除く対策をしましょう。

1. キャットタワーは低いタイプに

キャットタワーは、高さが50センチ程度のものに変更するといいでしょう。低めのステップがいくつか付いていて、上りやすいタイプがいいですね。

天井に届くような高さのあるキャットタワーを設置している飼い主さんは多いと思います。てっぺんに上るのが猫は大好きです。
しかし、シニア猫は筋力や俊敏性も低下しているため、転落したり、着地を失敗したりする恐れがあり、ケガの危険も高まります。

だからと言って、キャットタワーを取り去ってしまうと、それも猫にとってはストレスです。
低いキャットタワーなら、落下の危険も少なくなりますし、高いところに上りたい気持ちも満たされるでしょう。窓辺に置いて景色が見えるようにすると、退屈も解消されて刺激になるのでおすすめです。

2. 背の高い家具には上らせない

猫によっては、食器棚やタンスなどの高い家具のてっぺんが好きな子もいます。しかし、家具はキャットタワーのようなステップもないため、落ちると大変危険です。

食器棚やタンスの上などシニア猫が上れないように、背の高い家具の上は箱などを置いておきましょう。
天井との間に隙間ができないよう、ぴったりサイズの箱がおすすめです。

3. 出窓やソファへのアクセスを配慮

出窓やソファなど、ほどほどの高さならストレス解消のためにも上らせてあげましょう。
上り降りしやすいように、ステップになる台をいくつか置いてあげると安心です。滑りにくい素材の椅子や階段などがいいでしょう。

4. トイレは低いタイプに変更する

トイレは縁が低いタイプにするかスロープを付けましょう。

年を取ってくると、猫はトイレの縁を今までのようにまたげなくなってきます。
すると排泄がだんだん面倒になってしまうのです。その結果、排泄を我慢したり、トイレ以外で粗相したりするようになる可能性があります。

スロープを上るのもつらくなってきたら、犬用のトイレトレーに変更してもいいでしょう。ペットシーツを敷いて、その上に今まで使っていたトイレ砂を置いておくと猫も排泄しやすくなるでしょう。

5. 食器は高さをつける

シニア猫の食事タイムにも「高さ」が関わってきます。

高さのある食器に変えるか、安定した台の上に食器を置いてあげましょう。ほどよい高さがあると、食べやすくなります。
シニアになると高いところに上るのが大変になるだけではありません。首を下にしてかがむのも辛くなってしまいます。すると、お腹が空いていても食べるのをやめてしまうのです。

高さをつけると、食べ物も逆流しにくく吐きにくくなるのもメリット。食べやすくなるので、食事を途中でやめてしまうトラブルもなくなるでしょう。

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「高さ」の危険を和らげる3つの方法

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「高さ」を直接見直す以外にも、高さによる危険を少しでも和らげる方法があります。

1. 床は滑りにくく

キャットタワー、出窓、ソファなどの周囲には滑らないようにカーペットを敷いておきます。
フローリングは、着地したときに滑ってケガをする恐れがあります。クッションなどを置いておくのもいいですね。

2. 階段はゲートをつける

階段からの転落を防止するためにも、階段の前にはゲートやフェンスを付けて、猫が入らないようにする方法もあります。
間をすり抜ける猫もいるので、ネットなどを貼っておくと安心です。

3. 動物病院を受診しよう

高いところから落ちそうになる、うまく上れないのは年齢だから仕方ないと思わずに、積極的に動物病院を受診しましょう。
筋力の衰えだけでなく、関節の痛みがある場合もあるのです。猫は苦痛を隠す傾向があるので、飼い主さんは気づかないケースもあります。

シニア猫が暮らしやすい環境を整えると同時に、少しでも異変を感じたら動物病院を受診してくださいね。

まとめ

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シニアになると、機敏だった猫もだんだん高い場所からうまく降りられなくなってきます。同時に、低くかがむのも苦手になってきます。

高所からは転落の恐れもあるので、背の低いキャットタワーに替え、高い家具の上には箱を置くなど対策をしましょう。出窓やソファなどへは、いくつかステップになる台を置くと安心です。
トイレはまたぎやすいタイプにするか、スロープを付けてあげましょう。
食器は逆に高さを付けてあげると、食べやすくなります。

筋力の衰えだけでなく、関節の痛みがあるかもしれません。愛猫がシニアになったら、定期的に動物病院を受診してくださいね。

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