愛猫が家のあちこちで爪とぎをして、壁やソファなどをボロボロにしていませんか?
せっかく爪とぎを買って置いているのに、なぜか使ってくれない猫もいます。それは、もしかしたら好みの爪とぎではないのかもしれません。置き場所が間違っている可能性もあります。猫が思う存分爪とぎをできる場所を作れば、家もボロボロになりません。
今回は猫が爪をとぐ理由と、適切な爪とぎグッズ選びのコツや、置き場所について解説します。
この記事の目次
猫が爪とぎをする5つの理由
猫の爪とぎの理由は、お手入れだったり、ストレス解消だったりとさまざまです。いくつか理由が重なっているときもあります。爪とぎを行うのは本能的なことなので、やめさせることはできません。
1. 爪の手入れ
猫は自分で爪のお手入れをします。猫の爪はたまねぎのような層構造をしており、バリバリと爪をとぐことで、古くなった一番外側の層をはがします。すると、鋭くとがった爪が再び出てきます。
2. ストレッチ
起きたときなどに前足を思いっきり伸ばして爪をとぐ「ストレッチ」の意味もあります。気分転換の意味もあるようです。
3. マーキング
マーキングのためにも猫は爪とぎをします。猫の爪の間には、強いニオイを分泌する腺があり、爪をといで壁などに自分のニオイを付けて縄張りを主張するのです。特に、後足で立ちながら体を伸ばして壁や柱をといでいるときは、マーキングの意味が強いでしょう。
多頭飼いなどの場合、爪とぎでできた傷を他の猫にアピールし、自分の縄張りを見た目でも主張する意味もあります。
4. 不安やストレスの解消
猫は不安やストレスを感じたときに、爪とぎで気持ちを落ち着かせようとします。突然の来客があったときなどにはよく行うでしょう。これを「転位行動」といいます。人間が、失敗したときに照れて頭をかくような行動です。
5. 注目を浴びるための爪とぎ
飼い主にかまってほしくて、爪とぎをするときもあります。爪とぎをしているときに、声をかけたことがきっかけで「爪をとぐと飼い主が注目してくれる」と猫が覚えてしまうのです。
爪とぎをして欲しくない場所でとぐと、飼い主はどうしても声をかけたくなるでしょう。そのため、どんどんエスカレートする可能性もあります。
適切な爪とぎグッズと爪とぎ場所を用意
爪とぎそのものをやめさせることはできないので、適切な爪とぎグッズを用意し、場所を作ってあげる必要があります。
まずは、爪とぎの好みを探りましょう。市販の爪とぎの素材には、ダンボール・麻・木材・カーペットなどがあります。いくつか用意して猫の好みを探りましょう。
ダンボール
多くの猫が好む素材です。値段も安くスーパーマーケットなどでも購入できます。シンプルな長方形の床置きタイプや、ベッドタイプ、猫が中に入れる「すりばち状」など形状もいろいろ。中に入って遊べるハウスのような爪とぎもあります。
ダンボールは、とぎクズが出やすい点と、すぐにボロボロになる点がデメリットです。軽いので、動かないように固定する必要もあります。
麻
麻縄をポールに巻いた爪とぎです。キャットタワーに付属している商品もあります。麻縄は丈夫で、とぎクズはほとんど出ません。力の強い猫がといでも長持ちするのもメリットです。やや高価な点と、猫の好みが分かれる点がデメリットです。
木材
外で暮らしていた猫が好む傾向があります。とぎクズもほとんどなく、丈夫で長持ちします。ただ、あまり商品の種類は少ないうえ、やや高価です。
カーペット
日頃からラグやカーペットで爪をとぎたがる猫に向いています。丈夫ですが、爪がひっかからないように注意が必要です。商品の種類が少ないのがデメリットです。
爪とぎの形状や大きさもチェック
床に置くタイプと水平タイプ
床で爪をとぐのが好きな猫、立ち上がってとぐのが好きな猫など好みが分かれるようです。好みがわからないときは、両方用意します。
しっかり安定する爪とぎ
爪をとぐたびに爪とぎが動くのを猫は好みません。
床に置くタイプは裏に滑り止めがついているものを、ポールタイプは猫が力を入れてもグラグラしない安定したものを選びましょう。
十分な大きさのある爪とぎ
猫が思いっきり体を伸ばしても使える大きさの爪とぎを選びます。壁に貼れるタイプは、前足が届く場所に貼って使えるのでおすすめです。
爪とぎの置き場所
すでに壁などでとがれて困っている場合は、そこに爪とぎを設置します。
他には、猫がいつも過ごす部屋の隅やドア近く、トイレに行くときの通り道など複数箇所に設置します。いろいろな場所に置いて、猫の様子を観察してみてください。傾向がわかってくるはずです。
爪とぎを使ってもらうコツ
新しい爪とぎでとがせるには、「匂い」を付けておくのが効果的です。壁についた爪とぎあとを布でこすります。その布で、新しい爪とぎを拭いて匂いを付けると簡単です。さらに、爪とぎにあらかじめ傷を付けて「よその猫が爪をといだ」風にしておきます。
してほしくない場所で爪をといでも叱らない
猫が不適切な場所で爪とぎをしていても声をかけたり、叱ったりしないでください。猫は「注目してくれた」と思うでしょう。そのため、ますます爪とぎをする悪循環に陥るかもしれません。壁にはシートを貼る、ソファにはカバーをかけるなどの対策を行いましょう。
なかなか爪とぎを使ってくれない場合は、素材や形状、置き場所を見直してみましょう。
まとめ
爪とぎは猫の本能です。猫が思う存分爪とぎができるように、猫の好みの爪とぎグッズを用意してあげましょう。いくつか用意して、好みを探るのもおすすめです。置き場所は、猫が普段過ごす場所や通り道などがいいでしょう。といでも動かないように固定することも忘れないでください。
壁など不適切な場所でといでも、叱らないことがポイントです。シートなどを貼るなどして対策をしましょう。