野生動物を飼ってもいいの?関連する法律をわかりやすく解説!

野生動物を飼ってもいいの?関連する法律をわかりやすく解説!

公園を散歩中にかわいらしい鳥を見つけたときや、家の近くでアライグマを見つけたとき、「飼いたい」と思ったことがある方、いらっしゃるかもしれません。

昔話では鳥や野生動物を飼育するシーンが登場することもありますが、現代には野生動物に関する法律が存在し、むやみやたらと飼育してしまえば、法律違反になることがあります。

今回は、野生動物の狩猟や飼育に関わる様々な法律をご紹介していきます。

この記事の目次

野生動物を飼育するのは原則禁止

野生動物 鳥獣 狩猟 飼えない
野生動物を捕獲したり、飼育したりすることは、「鳥獣保護管理法」により、原則禁止されています。

ただし、狩猟鳥獣に指定されている動物であれば、狩猟や飼育が可能な場合があります。まずは、狩猟鳥獣にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。なお、狩猟鳥獣であれば全て狩猟・飼育してよいわけではありませんので、この後の解説もぜひよく読んでください。

狩猟鳥獣に指定されているもの

狩猟鳥獣とは、野生鳥獣のうち、肉・毛皮などを利用する目的で狩猟(捕獲・殺傷)の対象となる種のことで、狩猟が生息状況に大きな影響を与えることがないと判断されたものです。

鳥類(26種)
カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く。)、キジ、コジュケイ、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス

獣類(20種)
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く。)、イタチ(雄)、シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く。)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ

引用元:狩猟制度の概要 || 野生鳥獣の保護及び管理[環境省]

狩猟には基本的に免許が必要

狩猟鳥獣は狩猟の対象となる鳥獣ですが、実際に狩猟を行うには狩猟免許の取得と都道府県への狩猟者登録が必要です。

また、次のような様々な規則を適切に守って狩猟することが求められます。

狩猟期間

1年の中で、狩猟を行ってよい期間は、日にち刻みできっちり決まっています。
狩猟期間は鳥獣の種類や自治体により異なり、また年によって期間が異なることもあるので、確認が必要です。

猟具の規定

鳥獣により罠や銃の規定も異なります。猟具によって免許の種類が異なるので、自治体に確認しましょう。

狩猟可能区域

鳥獣の保護のために設定された「鳥獣保護区」や、公道では狩猟をすることができません。

また、水鳥の鉛中毒防止のため、鉛製散弾を使うことなどが禁止されている「指定猟法禁止区域」や、狩猟鳥獣を増やすために一時的に狩猟を禁止する「休猟区」などの制度もあります。

狩猟鳥獣でも飼育できるとは限らない

野生動物 ペット 飼える 許可
狩猟鳥獣に指定されていても、自由に飼育できるわけではありません。アライグマなどの特定外来生物は、狩猟で捕獲した場合でも、ペットとして新たに飼育することが原則として禁止されています。

また、鳥獣の種類やほかの法令によって飼育が制限される場合もあります。野生鳥獣への負担なども考慮し、むやみに捕獲・飼育することは避けましょう。

飼育の許可・不許可は変わることがある

野生鳥獣の飼育に関するルールは、法律や制度の変更によって変わることがあります。かつて飼育が認められていた野鳥でも、現在は新たに捕獲して飼うことが原則として認められていない場合があります。メジロを例にみてみましょう。

1950年 飼育可能な野鳥として、7種類の野鳥(メジロ、ウグイス、ホオジロ、ヤマガラ、ヒバリ、ウソ、マヒワ)が指定された
2007年 飼育可能な野鳥はメジロのみ、1世帯1羽に限るとされた
2012年 密猟や乱獲を助長するおそれがあることなどから、愛玩目的でのメジロの捕獲が原則として許可されなくなった

※ただし、規制前に飼養登録を受けていたメジロについては、その個体に限り、飼養登録を毎年更新したうえで飼い続けることができます。

このように、飼育に関するルールは変わることがあります。「昔はよかったんだから、今もよいだろう」と考えず、飼育を検討する際には、最新の情報を確認しましょう。

知っておきたいその他の法律

野生動物 保護 法律
ここまで主に、鳥獣保護管理法で規定された野生動物の取り扱いルールをご紹介しましたが、実はその他にも野生動物に関わる法律はたくさんあります。今回はその一部を取り上げて解説します。

文化財保護法

建物や芸術、史跡や景観などの文化財に加え、野生動物や植物などの天然記念物を保護するための法律です。天然記念物には、動物、植物、地質・鉱物、天然保護区域の4つがあり、全国で1000以上の記念物が指定されています。

これらの天然記念物に対してなんらかの影響をもつ行為をする際には、文化庁長官の許可が必要です。

種の保存法

国内に生息・生育する希少な野生動植物や、ワシントン条約附属書Ⅰ掲載種などの外国産の希少な野生動植物の保全を目的とした法律で、正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」です。

種の保存法では、希少野生動植物種を国内希少野生動植物種と国際希少野生動植物種の2つに分類しています。このほか、緊急に保存を図る必要がある種を、期間を定めて緊急指定種に指定する制度もあります。

国内希少野生動植物種と緊急指定種に関しては、生きている個体の捕獲、採取、損傷や、個体・器官・加工品の譲渡などが禁止されています。国際希少野生動植物種は、通関後の国内での譲渡などが禁止されています。

国内希少野生動植物種の生息地のうち特に重要な場所は「生息地等保護区」に指定されていて、開発行為などの規制や、立ち入りの制限などの管理がされています。もちろん、こうした地域で勝手に動物を捕まえて飼育するなどといった行為は論外です。

外来生物法

特定外来生物の飼養・輸入を規制する法律で、正式名称は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」です。

特定外来生物とは、海外から日本に導入されることで、在来生物の減少など、生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼすおそれがある生物のことです。
特定外来生物に関して、飼養、栽培、保管、運搬、輸入、譲渡、野外放出、植栽など、野外に拡大する可能性がある行為が禁止されています。

なお、生きている個体だけでなく、卵や種子なども含むので、例えば海外旅行先で見つけた卵を「帰って育てよう」などと、安易な気持ちで持ち帰ってはいけません。

また、外来生物法は、海外から動物を輸入する際だけでなく、すでに国内で繁殖している外来生物(アライグマなど)の飼育についても規制しているため注意が必要です。

自己判断は禁物

野生動物 保護 飼える 飼えない 狩猟
今回は、野生動物の飼育について、様々な法律をもとに解説しました。

野生動物を捕まえたり、飼育したりすることは基本的に禁止されていますが、狩猟鳥獣に指定されている動物であれば、飼えることがあります。

ただし、自治体や時間の経過によって状況が異なるので、都度、法律や条例を確認しなければなりません。

また、生態系の保護などを目的とした法律もたくさんあります。今回ご紹介できなかった法律や国際条約が、他にもいくつか存在します。保護地域などで狩猟をしないことはもちろん、各リストに指定されている動物かどうかを見極めるのは難しいですし、むやみに野生動物を捕まえるのは避けるべきでしょう。

色々な法律があって頭が混乱しそうですが、とにかく「野生動物は勝手に捕まえたり飼ったりしない。まずは自治体に相談する。」これをしっかり守ることが大切だということを覚えておきましょう。

関連記事

こちらの記事も読まれています

「その他生き物」の記事をさがす