猫を飼うのであれば、猫という動物が持つ習性を理解しておく必要があります。
猫が何を考えているのか、猫はどのようなことを好むのか、猫の生活環境はどのようにセットアップするべきなのか、そして猫はどうやってしつけすればいいのかは、全て猫の習性からわかってくることだからです。
この記事では、猫を動物という観点から捉えて、その習性を紹介していきます。
この記事の目次
毛布やお腹をふみふみする
生まれたばかりの子猫は、母猫の乳の出をよくするために前足でふみふみ揉みながら乳を吸います。
成長して大きくなった後でも、毛布などの温かくて柔らかいものに触れると、その時の名残でふみふみすることがあるようです。
ふみふみしている時の猫はとてもリラックスしており、至福のひとときだと感じているようです。心から寛いでいるので、このような時は静かに見守ってあげましょう。
手を甘噛みしてくる
子猫の甘噛みにはたくさんの理由が考えられます。
遊びの延長、愛情表現、撫で過ぎ、歯が痒い、刺激不足などが甘噛みする理由として考えられます。
甘噛みしてくる子猫の様子はとても愛らしいものですが、放っておくと噛み癖がついてしまうかもしれません。噛まれた時は、遊んでいても中断して無視するのがしつけの原則です。
また、猫の甘噛み対策としては次のことも有効です。
- 長時間撫でない
- おもちゃなどを噛ませる
- 満足するまで遊んであげる
叩いたりするなど暴力的な手段を取るのは、猫が怖がるだけで行動を直すきっかけとはならないのでやめておきましょう。
猫との絆を深めながら、噛み癖が治るのを気長に待つことがとても重要です。
猫に手を噛まれた時の対処方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
顔をスリスリしてくる
猫が人に体を擦り付ける行為は、愛情表現だと思われがちです。
飼い主がついそう思ってしまう気持ちはわかりますが、実はこの猫がスリスリする行為は自分の匂いをつけるために行なっているものです。
猫の体には匂いを分泌する臭腺がいくつかありますが、スリスリする時に使っているのは頭と尻尾にある臭腺です。
猫がスリスリしてくる行動を思い出してみると、頭を擦り付けたり尻尾を巻きつけてきたりしているはずです。
飼い主が外出から帰ってきたときや、見知らぬ人が家に上がってきたとき、よくこの行動が見られますが、それは自分の匂いで他の匂いを消して、不安を取り除こうとするためと言えるでしょう。
猫が体を擦りつける行為は、安心したいためというのが主な理由ですが、構って欲しいというアピールの時もあります。
体を擦り付けた時に構ってもらえたり撫でて可愛がってもらえたりすると、学習能力の高い猫は構って欲しいときに体を擦りつけるようになるからです。
猫のボディーランゲージについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
自由気ままに単独行動
群れで集団生活する犬は、絶対的な権威を持つリーダーに服従する動物だと言われています。犬が飼い主に見せる忠誠心は、犬のこの習性からきているのではないかと考えられていました。
既に現代では否定されていますが、アルファシンドロームは、群れで過ごすオオカミのこの習性から生じていると考えられていました。
一方、遥か昔から単独行動で生活することの多かった猫は、リーダーを必要としていないので、飼い主に対する忠誠心もありません。
猫は自らの行動を、全て自分の判断で行います。飼い主に高圧的な態度を取られたり、行動を強制されることを嫌います。
猫がプライドが高く、マイペースで気分屋と言われるのはこういう習性からきていると考えられます。
縄張りを大切にする
ライオンを除くネコ科の動物は、普段、単独で縄張りを作り、その維持管理のために定期的に点検を行いながら暮らしています。
爪研ぎ、擦り付け、排尿排便などのマーキング行動は、他の猫に対して自らの縄張りを示すための行動でもあります。
猫にとっての縄張りとは、生きていくために必要な食べ物や水、寝床を確保し、繁殖を行うために必要不可欠な空間です。
完全室内飼いの猫にとっての縄張りとは、家の中の空間だけになります。
猫は縄張りを広さではなく質で選ぶため、縄張りの条件さえ満たしていれば室内でも十分に満足して生活することができます。
前編のまとめ
猫の特徴はマイペースで甘えん坊。自分が甘えたいときや構って欲しいときたはすり寄ってきますが、そんな気がないときにスキンシップを取ろうとすると、逃げていってしまうこともあります。しつこく撫でていると、嫌がって引っかかれてしまうこともあるようです。
ただ、その分、自立心が強く、犬のように手がかからないのも昨今の人気の理由かもしれませんね!
とはいえ、一つの命ですから、気軽に飼うことは決して許されません。犬ほど手がかからないからという理由で飼い始めてしまうと、爪研ぎや撫でている最中に引っかかれたりした時に後悔することになります。飼い主と猫の双方にとって良い関係にできるよう、よく検討した上で飼い始めるようにしましょう。