うちの猫は怖がりでなかなか周りに慣れてくれない、うちの猫はとても臆病。そんな愛猫と暮らしている飼い主は、愛猫とどう接するのが良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そのままにしておくと、食欲がなくなったり、トイレ以外で排泄したりと問題行動を起こす場合もあります。
この記事では、そんな怖がりな猫への対応方法を解説します。愛猫のことを理解して、少しでも猫のストレスを減らしてあげましょう。
この記事の目次
猫が怖がりになった主な原因
その猫本来の性質や、怖い経験、環境の変化などが原因で怖がりになるようです。場合によっては、飼い主さんの声や動作も原因になります。
1. もともとの性質
父猫や母猫から怖がりな気質を引き継ぐと、怖がりな猫になることもあります。
2. 子猫時代の社会化不足
母猫や兄弟猫と、生後すぐに引き離された猫も怖がりになりやすい傾向にあります。子猫時代に、人間や他の動物と触れ合う機会がなかったなども原因のひとつです。
3. 生活の変化によるストレス
引っ越し、災害、飼い主さんの家族が増えた、同居する犬や猫が突然増えたなども怖がりになるきっかけです。大きな音が出る工事なども原因になります。
4. 過去の経験
虐待を受けた、捨てられた、世話をしてもらえなかったなど、猫にとってつらい経験も猫を怖がりにさせます。
5. 病気やケガの経験
病気やケガの治療が怖かったため、おびえるようになる場合もあります。
6. 体調不良
高齢猫の認知症や、なんらかの病気、痛みなどもおびえや不安を引き起こします。
猫が怖がる対象になりやすいもの
飼い主さんや家族
飼い主さんや家族の声、足音などを怖がる猫がいます。あわただしく動く人や大声を出す人は特に苦手です。猫がなかなか懐かない場合は、これらに怖がっているのかもしれません。
懐かせようと無理に抱っこしたり追いかけまわしたりする人も苦手です。
同居する猫や犬
トイレや食事場所への通路をふさぐ、威嚇するなど強い同居猫や犬は怖い存在です。
大きな音
工事の音、洗濯機や掃除機など家電製品の音も怖がる対象です。大地震や雷などにおびえる猫もいます。
ストレスを感じたときよく見られる症状や行動
怖がりな猫がストレスを感じていると、次のような症状や行動が見られます。
猫の様子を観察してみましょう。
- 食欲が低下、または過食
- 慢性的な嘔吐や下痢
- トイレ以外の場所での排泄
- おしっこやうんちを我慢する
- 室内で尿マーキングを行う
- ちょっとしたことでとび上がるほど驚く
- 禿げるほどの過剰な毛づくろいをする
- 毛づくろいをしなくなる
- ケージなどから出てこない
- 鳴いてばかりいる
- うろうろと意味もなく歩き回る
- 布やプラスチックなどを食べる異食
猫を怖がらせない環境を整えよう
猫が怖がる場合、まずは、動物病院を受診して、体に不調がないか確認してください。そして、猫が安心できる静かな環境を整えてあげましょう。
1. 動物病院を受診する
病気や体調不良がないか、動物病院を受診しましょう。
食欲不振や嘔吐、下痢は消化器官の病気の可能性があります。排泄のトラブルは、膀胱炎などを引き起こしているかもしれません。異食は腸閉塞などを引き起こす恐れがあります。
2. 飼い主さんや家族は静かに
大声を出さない、あわただしい動きをしないなどを意識して静かに過ごします。音の出にくい履物をはいたり敷物を敷いたりして、大きな足音が立たないようにしましょう。
また、むやみに猫に声をかけないほうがいいでしょう。
3. 大きな音を減らす
洗濯機の音を怖がる場合は、防音・防振マットなどで大きな音を減らします。
ドアにもクッション性のある隙間テープなどを貼ると、大きな音が緩和されます。近所の工事音におびえている場合は、猫が過ごす部屋を変えましょう。
4. 避難場所を複数用意
近くに食事場所、水飲み場、トイレを配置した避難場所を用意します。敷物を入れた段ボールをいくつか置いたり、ケージに布をかぶせておくだけでも効果的です。
避難場所への通路も、キャットウォークを作るなど複数用意します。家具を並べて通れるようにしてもいいでしょう。猫用のトンネルをつなぎ合わせて通路を作る方法もあります。
猫が避難場所で静かにしているときに、引っ張りだすのは逆効果ですのでやめましょう。
怖がりな猫との接し方
せっかく縁あって家に来た猫には懐いてほしいですよね。
猫となかなか仲良くなれない場合は、次の方法を根気強く試してみてください。何かがきっかけで怖がりになった猫にも応用できます。
1. あえて背中を向ける
猫は、目をじっと見て迫ってくる人が苦手です。そっぽを向いている方が近寄ってくる可能性があるため、猫に背を向けて座るのが効果的です。
猫がそばに座っても、声をかけずにそのまま静かに過ごしましょう。何度か繰り返していると猫は安心します。
2. おやつを利用する
おいしいものを食べると嬉しいのは猫も人間も同じ。猫の近くにおいしいおやつを置いてみましょう。
食べる様子を確認できたら、手のひらに乗せて猫が来るのを待ちます。この時も声はかけず、猫を見ません。食べた場合も声をかけないでおきます。
だんだん「おいしいおやつを持ってきてくれる優しい人」と認識して慣れてくるでしょう。
3. 一緒に遊ぶ
猫じゃらしなどで、少しずつ遊ぶのもいい方法です。「一緒にいると楽しい」と猫に認識させます。
大声を出さず、おもちゃを揺らすなどして誘いましょう。狩猟本能を刺激するので、人の手にじゃれさせるのはよくありません。
まとめ
猫が怖がりになったのは、本来の性質や社会化不足、怖い経験などが原因です。飼い主さんや家族の声や振る舞い、同居猫、大きな音におびている猫もいます。
何かに怖がっていると、食欲不振や嘔吐、不適切な排泄などさまざまな症状を伴いやすいのも特徴です。まずは動物病院を受診し、体調不良や痛みがないか確認します。静かな環境を作り、猫が安心して過ごせる場所を作ってあげましょう。
声をかけたり、無理に抱っこをしたりすると猫はますます怖がります。少し知らんぷりをするくらいがちょうどいいでしょう。穏やかに暮らせるようになると、少しずつ落ち着いてくるはずです。