猫を飼いたい方の中には、「子猫のうちから飼いたい」と考える方も多いのではないでしょうか。やんちゃながらも愛くるしい子猫は、とても魅力的ですよね。もし、あなたが子猫を飼い始めるのなら、「猫の社会化期」について事前によく知っておく必要があります。
今回は、新しくお迎えした子猫が成猫になってからもできるだけ少ないストレスで過ごせるように、社会化期のうちにやっておくべきことをご紹介します。
この記事の目次
猫の「社会化期」とは?
子猫の2週齢から7~9週齢ごろは「社会化期」と呼ばれ、さまざまなものに慣れやすい時期とされています。
その後のストレス耐性が変わる
新しい環境や生活の変化が苦手な猫ですが、社会化期に多くの刺激を経験させることで、その後の生活でストレスを感じにくくなります。
幼少期の子猫は好奇心が旺盛であり、さまざまなものに対して関心を示します。最初こそ警戒心が強いですが、成猫よりも早く環境や未知のものに順応しやすいため、多くのものに慣れさせる絶好のチャンスと言えるでしょう。
社会化期の経験で性格が決まる可能性も
社会化期に多くの経験をせずに成長してしまった猫は、臆病な性格になったり、人間や他の猫に対して攻撃的になってしまう傾向があります。
猫の社会化期に慣れさせるべきもの
では、その「社会化期」において、どのような経験が重要なのでしょうか?刺激の比較的少ない家の中で過ごす時間が多い猫だからこそ、さまざまなストレスに対する耐性を持つことは重要です。
ここでは、猫の社会化期に特に慣らしておくべきものについてご紹介します。
1.人
飼い主はもちろんですが、その他にも多くの人と触れ合うことで、人に対する苦手意識をなくせる可能性があります。さまざまな人に触れられたり、おやつをもらったり、おもちゃで遊ぶことで、飼い主以外とのふれあいに対するストレスを減らすことができるでしょう。
また、おやつやおもちゃを使って触れ合ううちに、人に対して良い印象を持つことができれば、人に慣れやすくなります。
2.他の動物
将来、ペットを多頭飼いする可能性がある場合、他の猫や犬などの動物とのふれあいも重要です。直接触れ合わせたり、他の動物の匂いを嗅がせたりすることで、成猫になってから他の動物を怖がりにくくなります。
ただし、他の動物と交流させる際には、事前にワクチン接種を済ませる必要があります。接触する動物についても、感染症のリスクがないことを確認しておきましょう。
3.生活音
多くの場合、家の中で飼われる猫ですが、家の中にも慣らしておくべき音がたくさんあります。テレビやスマホ、パソコンなど、使用頻度の高い機器の音には常日頃から慣れさせる必要があります。
また、目覚まし時計や掃除機の音なども、慣れていないと強いストレスを与えることがあるため、少しずつ意識して聞かせてあげましょう。可能であれば、雷の音や近所を走る車の音にも慣れさせておくと良いでしょう。
4.お手入れ
猫を飼う上で、ブラッシングや歯磨き、爪切りなど、さまざまなお手入れが必要です。まずは触られることに慣れさせ、慣れてきたら少しずつそれぞれのお手入れに挑戦してみてください。
また、お手入れをしやすくし、病気の早期発見や治療につなげるためにも、全身を触られることに慣れさせましょう。
5.移動
猫は基本的に移動が苦手な生き物です。しかし、動物病院への通院や引っ越しの際には、どうしても移動する必要があります。事前に車や電車に乗る経験をさせることで、移動時のストレスを軽減できます。
また、移動時に使用するキャリーケースにも慣れさせておきましょう。
6.おもちゃ
猫との遊びに欠かせないおもちゃですが、慣れないおもちゃを使うと猫にストレスを与える場合があります。そのため、幼少期からさまざまなタイプのおもちゃに慣れさせることが大切です。
猫の社会化期に注意すべきこと
子猫の社会化期にさまざまなものに慣れさせることは重要ですが、同時に注意すべき点もあります。
無理強いはしない
感受性が高い幼少期だからこそ、怖い経験や嫌な刺激はトラウマになり、成猫になっても強いストレスを感じることがあります。子猫が嫌がることは無理強いせず、怖がらせないように注意しましょう。
過度な刺激は禁物
社会化期であっても、急に激しい刺激を与えたり、1日の中で一気にさまざまな刺激を与えると、子猫が疲れてしまいます。刺激に慣れさせることは、あくまで日々のふれあいの延長線上で行ってください。
子猫の睡眠を妨げない
猫は名前の語源が「寝子」だともいわれるほど、よく眠る動物です。特に子猫は1日18〜20時間ほど眠るとされています。
睡眠中には成長ホルモンが分泌されるため、子猫の成長にとって睡眠は非常に重要です。眠っている子猫を起こさないようにし、目覚めて元気なときにさまざまな経験をさせてあげましょう。
まとめ
今回は子猫を飼う上で重要な時期となる「社会化期」についてご紹介しました。外部からの刺激が少ない家の中で飼うからこそ、小さな頃からさまざまなものに触れさせることが、成長後のストレス耐性を高める上で重要です。
しかし、同時に嫌な経験がトラウマになりやすい繊細な時期でもあります。子猫の様子を観察しながら徐々に慣れさせ、ゆっくりと刺激を増やしていきましょう。
また、社会化期を過ぎても同様の努力を続けることで、ストレス耐性や安定した性格を得られる可能性があります。社会化期にこだわりすぎることで、逆に過度な刺激やトラウマを与えることがないよう気をつけ、地道に社会化のトレーニングを継続していけると良いでしょう。