なぜ「拒否柴」は散歩を嫌がるの?その原因と対処法とは

なぜ「拒否柴」は散歩を嫌がるの?その原因と対処法とは

皆さんは近年、SNSなどで話題の「拒否柴」をご存じでしょうか。柴犬を飼っている方の中には、毎日「拒否柴」されているなんて方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、頑固ながらも可愛らしい「拒否柴」について解説していきます。その原因や対処法について学んでいきましょう。

この記事の目次

拒否柴とは

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柴犬が散歩の途中で突然動かなくなり、飼い主がどんなにリードを引っ張っても、頑なに動こうとしない様子を「拒否柴」と言います。飼い主に引きずられても寝転んで抵抗したり、引っ張られて顔のお肉がムギュっと集まってしまっても、断固として動かない様子を見せたりと、拒否の仕方もさまざまです。

次の項目からは拒否柴の原因と対処法をご紹介します。よく拒否柴をされるという方は、どれに当てはまるのかを考えながらご覧ください。

原因①柴犬特有のマイペースさ

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「拒否柴」の原因として最も多いのは、柴犬特有のマイペースさだと考えられます。どの犬種も性格や性質の傾向はありますが、すべての個体に当てはまるわけではありません。特に柴犬は個体差が大きい犬種の一つと言われています。それを念頭に置きつつ、あえて柴犬の性格を表すならば、自立心が強く、飼い主の指示を待つより自己判断する傾向があります。

飼い主に従順な一面もありますが、同時にこだわりも強く、飼い主の進む方向に行きたくない場合や、帰宅するのを察して拒否したりします。

また、柴犬は元々、日本の山岳地帯を駆け回っていた猟犬でもあります。そのため、十分な運動量を必要とするので、単に運動が足りずに帰宅を拒否している可能性もあります。

対処法

まずは、運動やストレスの発散が適切に行われているかを見直しましょう。柴犬は一般的に想像されている以上に多くの運動を必要とする犬種です。散歩の目安としては、30分以上の散歩を1日に2回程度行い、それに加え、思いっきり走れる場所があれば走らせてあげたり、飼い主が一緒に走ってあげたりしましょう。また、モッテコイ遊びができる子であれば、積極的に遊びの中に取り入れてください。

また、犬は「嗅覚の動物」と言われているため、散歩中に匂いを嗅ぐことで散策欲求を満たしてあげる必要があります。マーキングなどで他者に迷惑がかからないように配慮しながら、十分に匂いを嗅がせてあげましょう。

その上で、散歩中は飼い主がリードすることを心がけてください。行く場所や歩くペースは飼い主に合わせるようにし、犬が立ち止まりがちになった場合には「オイデ」というコマンドを使い、犬が近づいたらおやつを与えましょう。このためにも、普段から「オイデ」のコマンドを練習しておくことが重要です。

原因②特定の場所に対するトラウマや恐怖心

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特定の場所で散歩を拒否する場合、その場所に何らかのトラウマや恐怖心がある可能性が考えられます。例えば、「以前通った時に大きな音がした」「知らない犬に吠えられて怖かった」「工事現場や子供の登下校で大きな音がする」といった、飼い主が忘れてしまっているような些細な出来事を犬が覚えていたり、未知の物音に対して不安を感じて動きたくない場合もあります。

対処法

まずはしばらくの間、その場所を避けて散歩しましょう。ただし、場合によってはその場所を通らなければならないこともあります。また、愛犬が苦手なものを克服することで自信をつけることができますので、愛犬の様子をよく観察しながら、おやつや好きなものを使って、徐々に苦手な状況や場所に慣れさせていきましょう。

原因③帰ってからの足拭きがイヤ

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柴犬の中には、足を触られたり、体を水に濡らされることを極度に嫌う子がいます。家の近くで拒否の様子を見せる場合、帰宅後に足を拭かれることを嫌がっている可能性があります。

対処法①

子犬のうちから足を触られたり、水で濡れることに慣れさせるのがベストですが、成犬になってからでも克服することは可能です。以下の手順で徐々に慣れさせていきましょう。

  1. 足を少しでも触れたら、おやつをあげる
  2. 足の裏全体を触れたら、おやつをあげる
  3. 足全体を優しく包んだり触れたりできるようになったら、おやつをあげる
  4. おやつをあげながら、少しだけ足を拭いてみる

犬によっては手で触るのは大丈夫でも、雑巾を嫌がる子もいます。そのような場合は、濡らした手袋を使うと受け入れてくれることがありますので、試してみてください。

重要なポイントは、力を入れてゴシゴシ拭かないことです。痛みを感じると嫌がってしまい、また一からやり直しになることもあります。常に優しく拭くことを心がけてください。

対処法②

もしも、犬がどうしても足を触らせてくれない場合や、足を触る練習をしている最中に足をきれいにしたい場合は、濡らしたバスタオルなどの上を歩かせて汚れを取るという方法もあります。

原因④病気の可能性も

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散歩を拒否するだけでなく、犬に何かしらの不調がある場合は、病気の可能性を疑いましょう。特に若い頃は元気にお散歩していたのに、最近急に散歩を拒むようになった場合などは、体のどこかに痛みがあるのかもしれません。

対処法

かかりつけの動物病院を受診しましょう。少しでも病気かもしれないと思ったら、無理は禁物です。可能であれば抱っこして帰宅しましょう。

原因⑤飼い主の心を見破っている?

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「拒否柴」になってしまう原因として意外に多いのは、飼い主が拒否する姿を可愛いと思っていたり、「拒否柴」をしているのを楽しんでいる場合です。「困っちゃう」と言いながらも、実は可愛いと思っている方も多いのではないでしょうか。犬側もそんな飼い主の気持ちを察して、楽しんでやっている可能性があります。

対処法

犬と飼い主がお互いに楽しんでいる限り、無理に直す必要はありません。ただし、放っておくと行動がエスカレートする可能性があることは念頭に置いておいてください。

「拒否柴」の中には、飼い主が無関心を装ってスマホをいじりだすと拒否をやめたり、逆に犬の気分を盛り上げて声をかけながらダッシュすることで歩き出したりする子もいます。
スイッチの入り方は犬それぞれ異なるので、その子に合った方法を見つけてあげてください。

まとめ

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今回は可愛いけれど困った癖の「拒否柴」について、解説しました。

柴犬は問題行動などでトレーナーがよく依頼を受ける犬種です。「柴犬の独特の気質」と「人懐こい洋犬のように接したい飼い主」の間で、接し方に不一致が起こると問題行動になる傾向が見られます。

また、多くのしつけ本は飼育頭数の多い洋犬向けに書かれているため、柴犬には当てはまらないこともあります。

このような他の犬種にはない難しさも、柴犬の魅力の一つです。柴犬を飼っている方は、そんな特徴も楽しんでみてください。

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